早くて速かった! 中日の新外国人ホルヘ・ロンドン投手(28=パイレーツ)が11日、フリー打撃に初登板。154キロを記録して度肝を抜いた。

 分厚い胸板でビュンビュンと腕を振った。スコアラーの計測では直球の約8割が150キロ超え。高橋、古本に計33球を投げ、安打性は4本ほど。ボール球と荒れ球に手こずり、3本しか前に飛ばせなかった高橋は「速かった。そんなに出ているとは」と目を丸くした。森監督も「普通、フリー打撃で150出すか」と苦笑い。吉見、大野らも「154らしいぞ」と口々に話すほどの衝撃だった。

 投げる前から驚かせていた。フリー打撃に向かうまでの時間が設定されているが、ぎりぎりまで投手小屋の隅で座って、音楽を聴いていた。ブルペンに入ると、わずか10球しか投げず準備を終えた。しかも最高気温11度の寒さ。それでも初球に151キロ出した。「いつも10球くらいだよ」。アラウホも10球で出来上がるといい「ベネズエラでは早い人が多いかも。次の次の打者からいけとかよく言われる」と笑った。

 友利投手コーチは「101・4マイル(約163・1キロ)を出したのを見た」と証言する。ロンドンは日本ハム大谷の名前は知っているが、日本最速が165キロとは知らなかった。助っ人史上最速のマーク・クルーン(横浜、巨人)の162キロにも首を振った。

 更新の期待は高まるが「皆さんの期待している答えは言わないよ。ゾーンに強い気持ちで投げるだけさ」。3分で温まる“インスタント右腕”。公式戦特有のムードがあれば、仰天するようなアドレナリンが出るかもしれない。【柏原誠】

 ◆ホルヘ・ロンドン 1988年2月16日、ベネズエラ生まれ。06年にカージナルスと契約。14年にメジャーデビュー。ロッキーズ、オリオールズ、パイレーツでプレー。メジャー13試合すべて中継ぎで19イニング、防御率13・26。186センチ、99キロ。右投げ右打ち。推定年俸5000万円。