アピール作戦に成功した。打っては右翼線への適時二塁打含む3安打1打点。「打つことが最優先。そのうえで、最低限守れないと試合には出られない」と、厳しいハードルを課して挑んでいた。7回1死二塁の第4打席で凡退し「送りバントをしてもらったのに。あそこをしっかりやらなければ」と自己評価は辛め。それでも、見守った終身名誉監督の長嶋茂雄氏からは「いいバッティング。最後に4本目が出ればいいんだけどね。でも成長してます、完全に」と賛辞を贈られた。

 3年目の今季は「結果」の2文字にこだわり抜く。「やっぱり、選ぶときに最後は数字を見るじゃないですか。どれだけいい当たりを打ってもアウトはアウト。何でもいいから目に見えるものが必要なんです」。初の1軍キャンプスタートだった昨年は、オープン戦18試合で打率1割6分4厘、0本塁打と苦しみ、開幕1軍を逃した。同じ悔しさを味わいたくないと固く心に決めて宮崎へ入った。

 今後の起用について、高橋監督は「(左翼に)どんどん入っていくことになると思う。そうなれば内野、外野の競争に加わる可能性がある」と高評価。若き大砲候補が混戦の左翼手争いに切り込む。【松本岳志】

 ◆巨人の左翼手争い 陽岱鋼は下半身の張りが癒えれば中堅、長野が右翼に入り、左翼だけが空位となる。ギャレットは昨季24本塁打で6月以降は定位置をつかんだが、今季は外国人枠の問題があり、現状では優先順位が低い状況。トレード移籍の石川、2年目の重信に加え、二塁手争いも繰り広げる立岡も左翼経験は少ないが候補に入る。2軍の亀井は実績、実力とも安定感があり、若手が伸び悩めば有力候補に躍り出る。同じく2軍の橋本到も能力はある。