メジャー通算30勝のインテリ助っ人が、幻惑投法で周囲を驚かせた。18日、ヤクルトの新外国人ロス・オーレンドルフ投手(34=レッズ)がフリー打撃に初登板。大きく振りかぶる、ゆったりとしたフォームから急に動作を速めたり、左足を下ろすまでの時間差をつける頭脳的な投球を見せた。オバマ前大統領のミシェル・オバマ夫人も輩出した名門プリンストン大卒の最速157キロ右腕は「タイミングを変える投球は、アメリカでもやっていたよ」と笑顔。

 ボークや2段モーションを指摘されるのは想定内だった。井野と雄平に計42球を投げ、直球の最速は143キロ。安打性の当たりは1本ずつに抑えた。投球後は首脳陣や審判とルールを確認。「アメリカでは練習に審判はいない。途中で足を止めるのはダメなんだね」と学習した。真中監督は「実績があるのに賢い。打者をどう崩すか考えて、自分でOKのラインを探っていた」と、開幕ローテ候補の勤勉さに目を細めた。早ければ3月4日のソフトバンクとのオープン戦(鹿児島)で実戦デビューする。【鹿野雄太】