楽天打線は忖度(そんたく)しません! 楽天がオリックス投手陣に14安打を浴びせ、13-4で大勝した。茂木の勝ち越し打などで3回まで5点を奪うと、7回に銀次の2点適時打で勝負を決める。それでも手を緩めず、9回には打者一巡の猛攻で6点を取り、相手を粉砕した。開幕2戦は控えに回った岡島、藤田にも初安打が生まれ、ムードもよし。開幕2連勝は、同3連勝を飾った14年以来、3年ぶりの好スタートだ。

 お祭り騒ぎだった。試合後の三塁側ベンチ裏は歓声とハイタッチが乱れ飛び、開幕2連勝を全員で喜び合った。「みんなバットが振れている。ピッチャー陣が楽になるよう1点でも多く点を取りにいきました」。選手会長・銀次が笑顔で答えた。

 岸、安楽の離脱で不安視された開幕シリーズ。逆に野手陣に危機感、結束を生んだのか、2試合で23安打19得点と打線に火が付いた。この日は同点に追いつかれた直後、今季から1番を任された茂木が、オリックス先発の新外国人コークから、左中間フェンス直撃の勝ち越し二塁打を放つ。そこから一気に4点。茂木は「それより初回先頭でチャンスをつくらないと」と貪欲だが、2戦連続2安打なら十分合格点だ。

 7回は銀次だ。1死満塁で、初対戦のヘルメンからしぶとく二遊間を抜き、2点を追加。「ここで打てば勝負は決まると思った。ゲッツーにならなくて良かった」。当てにいかず、振り切ることで中間守備網を切り裂くことができた。3回と9回には四球でつなぐ。後ろを打つ今江が絶好調とあって、銀次の打席が大量点の鍵となった。

 開幕2戦は控えに甘んじた2人にも今季初安打が生まれた。7回から守備に入っていた岡島が9回、今季初打席で左中間への二塁打。打者一巡で回ってきた打席では、左犠飛で打点も挙げた。やはり途中出場の藤田も9回に今季初安打初打点をマークした。

 「結果が出てほっとした。自分はどんどんアピールしないといけない立場ですから」と岡島。前日4三振を喫した4番アマダーが3安打するなど、まだ無安打のウィーラー、嶋を除く主力に開幕2戦目までに快音が出た。「この2戦は打線が援護してくれた。明日(の3戦目)が大事」。梨田監督は開幕3連勝しか見ていなかった。