ソフトバンク千賀が8回無失点、137球の熱投でチームの連敗を2でストップさせた。千賀にとっての今季初勝利には、先発の柱としての意地が詰まっていた。先週1週間は先発6人がすべて6回まで投げきれず2勝4敗。4日楽天戦で4回7失点KOされた千賀からの「負の流れ」を自分で止めた。

 「今日は拓也(甲斐)。リードも、(2回に)刺してくれたのも大きかった」。この日も前回と同じく甲斐と球界初の育成ドラフト出身バッテリー。10年育成ドラフト4位の千賀と同6位の甲斐は同じ高卒で同期だ。2回には1死一、三塁で大野の初球を外角高めにウエスト。飛び出していた三塁走者岡を甲斐が矢のようなけん制で刺した。工藤監督も「あれは大きかった」とほめた。

 前回4日は甲斐はプロ入り後スタメンマスク2試合目。経験が少なく、千賀の調子よりも捕手の配球を疑問視する声も上がっていた。「拓也も悩んでいた。(相手打者)1人1人に対してしっかり話したし、前回のことも話せてよかった」。ウイニングボールはスタメンマスク1勝記念で甲斐に渡した。高谷、鶴岡が36歳のシーズン。今年25歳になる甲斐を同期の千賀が正捕手の道へ引っ張っていく。【石橋隆雄】