藤浪は飛ばさない! 阪神は11日DeNA戦の雨天中止を受け、先発ローテーションを再編する。11日に先発予定だった藤浪は、明日13日DeNA戦へ。13日に先発予定だったメッセンジャーは14日広島戦に向かう見込みだ。前回大乱調だった藤浪に早期の復調を促しつつ、首位広島とのカード初戦には大黒柱を投入。上位を追い上げるローテを整えた。

 しとしと雨が降り注ぐ横浜スタジアム。金本監督は傘を差し、無人のグラウンドに足を踏み入れた。グチュッ、グチュッ。靴を水浸しにして向かった先は左翼ポール奥のブルペンだ。「藤浪、岩崎。見たい2人がブルペンに入っていた」。藤浪らの投球をじっくりチェックし、先発ローテの再編プランは固まった。

 この日のDeNA戦は早々に雨天中止が決まった。先発予定だった藤浪は前回4日ヤクルト戦で5回2失点ながら9四死球と大乱調。1度ローテを飛ばして再調整させる可能性も予想される中、首脳陣は藤浪の早期復調に懸けたとみられる。香田投手コーチは「2日連続で(登板)前日を迎えるのはなかなか難しいからね」と説明。登板日を明言することはなかったが、あえてスライド先発は避け、中8日となる明日13日DeNA戦に投入する見込みだ。

 藤浪の登板日がズレることで、当初13日に先発予定だったメッセンジャーを中7日で14日広島戦に向かわせることが可能となる。首位広島とのカード初戦を任せ、さらに21日には中6日で2位巨人とのカード初戦にも先発させられる。一方、もともと14日に先発予定で、2戦連続で不安定な立ち上がりを見せていた岩貞に再調整の期間も与えられる。上位チーム追い上げへ、先発陣の立て直しへ、この雨を生かさない手はないというわけだ。

 フォーム修正中の藤浪は練習の最後、コンクリート駐車場でダッシュメニューに汗を流した。「5年目なので(雨で登板日が変わっても)日数の調整はできる。ピッチングの回数が増える。プラスにとらえられたらと思います」と冷静な言葉に力を込めた。「恵みの雨」から鯉の尾びれ、巨人の背中を猛追する。