巨人はなりふり構わずに王者広島の足元にしがみついた。

 5点差を追う5回、代打村田の1号3ランで一気に2点差まで追いすがる。6回、村田はそのまま昨季までの定位置の三塁手に入り、マギーは二塁手へ。春季キャンプ中の練習でテストした布陣もオープン戦では未使用だった。「逆転の広島」のお株を奪う大逆転を決めるために、ウルトラCを敢行した。

 結局、8回に決定的な2点を奪われ、再度の反撃も生まれず、秘策は実らなかった。高橋監督は「攻撃していかないといけないから。キャンプでも少しやれたし、経験もあるから」と助っ人をブルワーズ時代の09年に22試合、ヤンキース時代の12年に1試合という位置に就かせた。2度の守備機会を無難にこなしたマギーは「言われても特別なことはなかった。同じ野球だから」と冷静だった。

 本来なら力で相手をねじ伏せたい。逆転へ大胆策に打って出るしかなかった。チームの勢いの差が出ている。指揮官は今後に「そんなに考えていない。今日みたいな時にはね」と非常手段と捉えている。3連敗で今カードは負け越し。広島と正攻法でぶつかれるように、チーム力を高めるしかない。【広重竜太郎】