新人王の意地だ! 同点の9回、阪神高山俊外野手(23)がDeNA山崎康から勝ち越し決勝のタイムリーを放つなど3得点。9日巨人戦で代打を送られるなど下降気味だった1番が、3連勝と2位浮上を導いた。直前の梅野の打席では突然ネコが走り回るなど、珍客もトラの勝利をアシストしたか。金本阪神が今日14日からの首位広島3連戦(甲子園)に弾みをつけた。

 気迫で放った一打だった。同点の9回1死二、三塁。最高の場面で高山は打席に立った。DeNA守護神、山崎康の内角高め、ボール気味の147キロ直球を振り抜くと、詰まりながらも打球は右前に弾んだ。試合を決める決勝適時打。悩めるバットマンは一塁上で、思わず笑みをこぼした。

 「外野フライでも1点が入るので、なんとかという気持ち、それだけでした。気持ちだと思います」

 開幕カードで順調に安打を重ねていたが、ここ数試合は不調だった。安打は出るものの、自身や首脳陣が満足する打撃内容ではなかった。9日の巨人戦では、好機に代打を送られる悔しさも味わった。この日も直前の4打席は、すべて引っかけた形の内野ゴロだった。「今日打てなかったら本当にもう…。ずっと悔しい思いをするのは嫌でしたし、そういう意味でも、なんとしても打ってやろうと思っていました」。