昨オフに結婚した新妻も関西から日帰りで東京ドームを訪れた。緊急昇格が決まった時は驚かれたそうだが「頑張ってきてね」と送り出され、勇気をもらった。愛する妻に届ける新婚初勝利にもなった。

 「どんな形でもしっかり成績を残したい」と意気込む今季。キャンプ中から開幕ローテーション候補に挙げられながらも、最終的にはメンバー入りならず。その後は腰のコンディション不良で登板回避が続いた。15日に2軍戦で今季公式戦に初先発し、5回無失点。久々の登板もあってか、試合後に腰に張りがあった。それでも藤浪の代役の話がきた時は、「いい張りだと思います」と球団関係者に直訴。この強い気持ちで1軍のマウンドに臨んだ。

 今後は藤浪と入れ替わり、出場登録を外れる方針。香田投手コーチは「若者らしく腕を振ってくれた」と評価しつつも、「実力とスタミナをつけて、技術をつけてほしい」と飛躍を期待した。横山も「まだまだ成長しないといけない」と進化を約束。次回のチャンスでも、ひと回り大きくなった姿を見せるに違いない。【山川智之】

 ◆横山雄哉(よこやま・ゆうや)1994年(平6) 2月21日、山形県生まれ。山形中央-新日鉄住金鹿島を経て、14年ドラフト1位で阪神に入団。ルーキーイヤーは0勝に終わるも、2年目の昨年は5月4日の中日戦でプロ初勝利を挙げるなど2勝をマーク。今季年俸は1570万円(推定)。183センチ、83キロ。左投げ左打ち。