中日が快勝した。主役は6回途中2失点でプロ初勝利を挙げた鈴木翔太投手(21)。プロ3度目の先発だった13年ドラフト1位右腕は序盤から好調。3回に打線が5点を奪って力強く援護したのが大きかった。

 5点を締める5号2ランを放ったダヤン・ビシエド外野手(28)は「得点によって、少しは楽に投げられたかな。彼は自分が投げたいように投球できていたように思う。チャンスをものにしたね」と誇らしげ。

 ビシエドは3安打3打点。7日の巨人戦(ナゴヤドーム)の4安打4打点に続く爆発で打線をけん引した。アレックス・ゲレーロ内野手(30)も4回に6号ソロを放ち、両助っ人による2試合連続2度目のアベックアーチになった。開幕から不振にあえぎ、チーム低迷の原因にもなってきた両大砲の復活は頼もしい。

 前日に「結果が出る、出ないは別にして、勢いをつけるには一番」と若手投手の投入意図を語っていた森繁和監督(62)。高い期待をかけ続けてきた4年目右腕のプロ初勝利に「いい投球をしたよ。いい投球をしたけど、今日は(3回無死一、二塁で)送りバントを決めたのがまず一番じゃない?」とご満悦。先制の5得点を生み出した陰の立役者としても、鈴木をたたえた。10日には同じドラフト1位の2年目、小笠原慎之介投手(19)が左肘手術から復帰して今季初先発。鈴木に次ぐ好投となれば、中日はまた加速する。【柏原誠】