快進撃の使者は、勝利を呼び込めなかった。日本ハム栗山英樹監督(56)は、西武7回戦(札幌ドーム)で、昨季15連勝の立役者だった岡大海外野手(25)を昇格即スタメンで起用したが、4打数無安打2三振と沈黙。投手陣も、今季ワーストの16被安打で、大敗を喫した。5連勝スタートの5月だったが、ここにきて2連敗、逆襲は小休止となった。

 「ハッピーイエロー」と「ラッキーボーイ」の組み合わせも、白星を呼び込むことはできなかった。栗山監督は「とにかく明日から、一生懸命勝てるように頑張ります」。多くは語らず、ただ前だけを向いた。

 快進撃の使者は沈黙した。球団記録となった昨季15連勝の立役者・岡を、この日から合流させ、即スタメンで起用した。「状態は上がってきていると思う」。根拠なく再現を期待することはないが、それでも指揮官は試合前「誰かが何かを持ち込んで欲しいとは思っている」。必死になってプレーする姿で、チーム全体を鼓舞してくれることを願った。

 だが2回の第1打席に見逃し三振に倒れると、4回にも空振り三振を喫するなど4打数無安打。「(降格前に比べ)そのときより(状態は)いいと思いますけど、結果を出すこと、そこだけなので…」。昨年、指揮官自ら命名した「勝利の男神(おがみ)」は、復帰戦でパワーを発揮することができなかった。

 右膝に死球を受けて2試合欠場した首位打者の近藤も復帰したが、3回以降は散発3安打。投手陣も今季ワーストの16被安打と完敗した。対西武は1勝6敗と、今季もっとも分が悪いカードとなった。

 5連勝で滑り出した5月も、2連敗で小休止。岡は「切り替えてやるしかない」。立ち止まっている暇はない。【本間翼】