中日が今季初の3連勝。7カードぶり勝ち越しと上向いてきた。前のカードまで6戦で1度も勝てなかった広島に連勝した。

 運気が変わってきた。相手のミスを生かした。2回だ。無死一、二塁からゲレーロの打球は遊撃への緩いライナー性のワンバウンド。当然、二塁走者ビシエドのスタートは大きく遅れた。しかし遊撃田中は遊-二-一の併殺を選択。2死三塁の状況が残った。

 続く藤井は「あっちに投げるとは思わなかった。誕生日にこういうのがくるとは面白いもんだなって。打席に入るのが楽しみでした」。中前打で、まんまと先制点を奪った。

 藤井はこの日が36歳の誕生日。14試合ぶりの先発だったが、森監督はオーダー決定時に「誕生日とは知らなかった」。代打で8連続凡退中だったが、起用がずばり当たった。2年前の誕生日には地元豊橋で決勝の逆転3ランを放った勝負強さは健在だった。

 決勝点は6回無死一、三塁からビシエドの投ゴロ併殺の間の1点。この2点で勝つのだから分からない。同点の5回無死満塁で無得点に終わるなど拙攻も目立つが、それでも3試合続けて接戦をものにした。

 森監督は苦笑いだった。「楽して勝ちたいのが一番。終わったら勝っていたという展開。何試合かに1回かは気持ちよくボコボコに打って、という試合があってもいいのかな。お疲れさまですから」。苦しみ続けた中日に、いい流れができ始めた。【柏原誠】