ソフトバンク上林誠知外野手(21)が今日30日から始まる交流戦でもヒットを積み重ね、今季打率3割5分超えを目指す。プロ4年目の今季は初めて先発に定着。打率3割1分3厘で現在リーグ10位につけているが29日、新千歳空港で語った上林はもっと上を見ていた。

 「今の数字には満足していない。まだまだ打ち損じの打席が多い。一昨年、ファームで(3割4分3厘で)首位打者を取った時、ギータ(柳田)さんと秋山さん(西武)は上で3割8分くらいで首位打者を争っていた。僕も3割5分は打ちたい」

 不可能な数字ではないはずだ。相手チームに研究され、序盤より厳しい内角攻めが増えている中、5月の23試合で打率3割5分3厘、5本塁打、19打点。月間MVP候補にも名前が挙がる。

 交流戦では初対戦のセ・リーグ投手との勝負が続くが「(パ・リーグでも)シーズンの最初もそうだったので、気にしていない」といい、巨人菅野との対戦を楽しみにしている。

 工藤監督も、交流戦で活躍を期待する選手を聞かれ「上林選手です」と即答。「期待以上の働きをしてくれている。打線の後ろのほうが活発に打ってくれると助かる」と話しており、上林も「気にかけてもらえるのはありがたいこと。積極的に打ちにいけと言われているので、どんどん振っていきたい」とうなずいた。

 DHのないビジター3カードはベンチスタートとなる可能性もあるが、疲労回復のチャンスと前向きにとらえ、与えられた打席でヒットを量産。チームを3年連続交流戦勝率1位へと導く。【福岡吉央】

 ▼2リーグ分立後、シーズン打率が3割5分を超えた選手は41人おり、のべ53回記録されているが、05年の交流戦開始後にマークしたのは06年福留(中日=3割5分1厘)、08年内川(横浜=3割7分8厘)、10年青木(ヤクルト=3割5分8厘)、同年平野(阪神=3割5分)、15年柳田(ソフトバンク=3割6分3厘)、同年秋山(西武=3割5分9厘)の6人だけ。08年の内川は右打者のシーズン最高打率で、歴代7位。15年の柳田も同19位にランクされている。