中日は悪夢の逆転負けで自力優勝の可能性が消滅した。8回、岩瀬がつくったピンチで又吉が鈴木に逆転3ランを浴びた。頼みの必勝パターンが崩れて3連敗。マツダスタジアムでは今季6戦全敗になった。

 森監督はほとんど言葉を発せず、前を見据えてバスに歩いた。初回に3点先取。6回まで4-1。それでも勝てない。好投していた先発柳が7回に伏兵磯村に2ランを浴び1点差。球場のテンションが変わった。

 継投に入った8回。岩瀬は先頭への四球から1死一、三塁とされて降板。そして又吉が鈴木に“神”られた。岩瀬は17試合ぶりの失点で4敗目。「何とかしたかった」。又吉も救援に戻って6試合目で初失点。内角狙いがやや甘く入った痛恨の1球だった。「詰まらせてゴロがほしかった。柳が頑張っていたし、岩瀬さんにはいつも抑えてもらっている。2人の頑張りを僕が崩しました」

 昨年より10試合早い76試合目で自力V消滅。投手陣の整備に時間を要した。ただ想定内ではあった。出遅れていた柳、鈴木、小笠原が先発で1本立ちすれば、一時的に先発転向していた又吉を本来のリリーフに回す計算をしていた。

 実際、又吉が本格的にブルペンに戻ったセ・リーグ再開後は5勝1敗。岩瀬と2人を終盤に固定できたことで勝つ流れができた。だが、先発・救援ともに手応えを持って迎えた広島3連戦で、計8本塁打を浴びた。友利投手コーチは「8発はあってはならない数字。相手の勢いだけで片付けられない」と嘆いた。

 不運なのは、投手陣が整備され始めた時期にビシエド、平田が抜けたこと。さらにこの日、調子を上げていた森野が右太もも裏を痛めて途中交代。戦線離脱するかもしれない。4日からは本拠地でヤクルト、DeNAと6連戦。マツダスタジアムのショックを早く断ち切りたい。【柏原誠】