公式サイトで公開された第三者委員会の調査報告書には、新たな事実は含まれなかったが、日本野球機構(NPB)の職員と12球団の幹部や統一球を製造するミズノ社との生々しいやりとりが記された。

 昨年5月15日のセ・リーグ社長懇談会では、営業面の理由から打ち合いの試合を増やすために「公には変えたと言わずに、芯を変えてはどうか」という意見が多く出たとした。

 昨年10月の12球団代表者会議では、一部から「黙って変えちゃうのが一番いい」との意見が出たという。その席上では「これだけの人が聞いて、漏れないわけないでしょう」と声が上がり、下田邦夫事務局長が「駄目ですよ、言っちゃ」と情報を漏らさないように制止したという。

 昨年11月にはセ、パ両リーグの6球団がNPBに統一球についての意見書を提出。巨人、阪神、ソフトバンク、オリックスの4球団は見直しが必要との内容だった。その中でも巨人は「2013年シーズンから『新基準による統一球』での試合運営を要望します」と、反発力の見直しを強く求めた。

 また、一部球団に対してキャンプの時期から飛びやすく変更された球が練習球として提供された疑いについても調査したが、ミズノ社が否定したために結論は出なかったとしている。