気温27度の筑後では「世界の王」も熱かった。ソフトバンク王貞治球団会長兼特別チームアドバイザー(83)が3日、異例ともいえる3軍戦視察で若鷹にゲキを飛ばした。ファーム本拠地のタマスタ筑後で、3軍が四国IL・愛媛マンダリンパイレーツと試合。1-2で敗戦し、試合後のミーティングで王会長が約5分間の熱弁を振るった

「ボールの芯とバットの芯を結ぶんだ」「いつかは絶対ドームでやるんだと思うことが大事だ」「考える習慣をつけると工夫の仕方がわかってくる。野球人生は短いんだから、短いからこそ工夫しないといけないんだよ」

1、2軍は遠征中。2軍視察こそよくするが、王会長の3軍戦視察は珍しい。若鷹の発奮のため、日差しの厳しい筑後に足を運んだ。

「練習は準備なんだから。試合でどう結果を自分で作り出すか。いい結果を出すためにどうすればいいのか自分で考えなさいということ。結果を出している人はどうやって出してるか。1軍の選手に遠慮せずに聞きにいくとか、積極的に自分が上手になろうとしないと。監督、コーチが上手にしてくれるんじゃないからね」。

1軍は4月に7連勝を飾るなど首位を走る。主力がレギュラーとしてどっしり構え、川村、仲田、緒方など開幕前に支配下をつかんだ若武者もいる。チームが上昇気流に乗る今だからこそ、王会長は切実に願っていた。「1軍、2軍、3軍、4軍と言っても我々にとっては戦力なんだから、誰が上がってきてくれてもいいわけだよ。出てきてほしいんだよね。3軍だからといって(1軍と)距離を感じてしまうかもしれないけど、そんなに距離はないんだよと言うことですよ。同じ年代で1軍に上がってきている人だっているわけだから。次は俺だっていうぐらいの気持ちでね」。

「王のゲキ」はソフトバンクの財産だ。【只松憲】

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