<オープン戦:オリックス9-0楽天>◇6日◇姫路

 昨年のウエスタン3冠王、オリックス迎祐一郎外野手(26)が、またまた大暴れだ。4番右翼で先発した楽天戦で先制&ダメ押しの3安打4打点。オープン戦と練習試合をあわせた対外試合は24打数10安打で打率4割1分7厘、7打点と勢いは止まらない。中堅坂口、右翼浜中がほぼ確定の中、村松、下山、古木らとの左翼争いでさらにリード拡大。コリンズ監督は「先発へのこだわりと能力をプレーで証明している」と絶賛した。

 まずは岩隈撃ちで勢いを呼んだ。初回1死二、三塁で速球を中前へはじき返す先制2点打。3回も得点がらみの左前打を放った。「2本では満足できなかった。最後も絶対回って来いと思ってた」。その後の2打席凡退が悔しかったようで8回2死一、三塁の最終打席では愛敬から右翼フェンス直撃の2点三塁打。ローズら主力抜きの打線で、野村監督をギャフンと言わす9点大勝の主役となった。

 「水口さんは引き出しが多い。納得するまで答えをくれる」。好調要因に水口打撃コーチの存在を挙げた。8年間1軍のカベとなってきた速球や変化球への対応法にキャンプから二人三脚で取り組んだ。昨年最終戦の水口引退試合の9回、守護神馬原に対し「どうせ打てんのやから踏み込んで行け」と助言をもらって打った涙の1号アーチも忘れていない。恩返しは定位置獲得と心に決めている。【松井清員】