<オリックス0-6ロッテ>◇20日◇東京ドーム

 ロッテの新4番・大松尚逸外野手(25)が“勝負パンツ”をはかなくても打った。1-0の6回1死から高めスライダーを右翼席中段へ運んだ。オリックス近藤を意気消沈させる価値ある1発で、一挙5点のビッグイニングの口火を切った。「低めだけは手を出さないようにして、狙った球を打てた」と、してやったり。前の打席はスライダーをひっかけて一ゴロに倒れただけに、ファウルで粘ったスライダーを見事にとらえた。

 今季、ピンクのボクサータイプのパンツをはいた時は本塁打やサヨナラ打を放ち、3回すべてお立ち台に上がっている。この日は連敗中のチームを救おうとピンクのパンツをはこうか迷ったが「パンツ選びは嫁の直感に任せている」と、洗濯の都合上ピンクではなかった。それでもチームトップの5号ソロで連敗を止め、4番の役割を十分に果たした。

 これで勢いに乗ると、里崎、オーティズの連続二塁打に橋本の3号2ランまで4連打で4点。さらに今江の1号ソロも飛び出し、10日の西武戦以来となる1イニング3本塁打で圧倒した。今江は「みんなの勢いで打たせてもらった」と満面の笑みを浮かべた。

 不調のズレータ、福浦と左太もも痛のサブローが登録抹消される苦しい状況を、持ち味のつなぐ野球で乗り切った。バレンタイン監督は「長打が続き、打線は自信を深められるいい流れになった」と上機嫌。勝率も5割に戻し、22日からの西武との3連戦で一気に首位奪取を狙う。【鳥谷越直子】