<ヤクルト9-4阪神>◇29日◇秋田

 「JK」の不調が命取りになった。反撃ムードを高めるべく、阪神岡田監督は同点に追いつかれた7回からジェフ・ウィリアムス(35)を投入。しかし、先頭宮本に初球を狙い打たれ、右前打を許す。リズムは悪く、1死一、三塁で代打川島慶に初球スライダーをとらえられ、勝ち越しの左犠飛を許した。

 それでも岡田監督は8回に、1点ビハインドで久保田智之(27)を送り出した。しかし、久保田は青木に2ランを浴びるなど、昨年5月4日広島戦(甲子園)以来の4失点。「情けない。切り替えて、次頑張るしかない」と話すのが、精いっぱいだった。

 岡田監督

 久保田?

 よう、分からんわ。今まで投げてきている投手で、今さらどう投げろという問題じゃない。ウィリアムスは同点で行かせたけど(久保田を)負けていて行かせたのは「あきらめん。次の回、4番からやぞ」というのを見せたのに…。それがああいう形になるからなあ…。

 交流戦明け初戦だった28日の同カードでは、久保田は難なく3者凡退に仕留めた。しかし、この日はまたも背信の投球。開幕から好不調の波が激しく、長期的に安定した内容を維持できていない。久保チーフ投手コーチも「もう1回、いろんな意味で考えないといかん」と思案顔だった。

 キーポイントは『初球の入り方』。6回には渡辺が代打飯原に初球を打たれ、同点打を浴びた。7回、川島慶に許した勝ち越し犠飛も初球攻撃…。中西投手コーチは「初球の入り方が問題。調子が悪いからというのではなく、組み立ての問題」と説明した。不用意な1球は、ときに致命傷になる。今季3敗目を喫したウィリアムスも言う。「自分のなかでは悪くなかった。先頭打者を出したことは、調整しないと。なぜ打たれたか、組み立てを考えたい」。冷静に見つめ直して、次戦でリベンジするしかない。【酒井俊作】