<楽天2-7ロッテ>◇1日◇盛岡

 ロッテの“安打製造機”福浦和也がついに目覚めた。楽天戦の初回1死二塁から先制適時打を放つと、3回には中前打で追加点の口火を切った。さらに4回、外角低めフォークをうまくとらえて右前へ運ぶ技ありの一打で、今季初の猛打賞を記録した。「打席で迷わず行こうと思っていた。ここまで内容が悪かったけど、前に比べて良くなっている」と、今季初のお立ち台で笑みがこぼれた。

 01年に首位打者を獲得し、猛打賞は昨年まで8年連続で年間10度以上をマークしている。だが、今年初めて壁にぶち当たった。キャンプ序盤に持病の腰痛が悪化し、フォームが固まらずに不振が続いた。体幹トレや居残りロングティーで試行錯誤を繰り返すも、打率2割台前半とふがいない成績が続いた。

 そんな苦しい時期を支えたのが家族の存在だった。6月28日に第2子の次男が誕生。「嫁が苦しい思いをして頑張っているのに、自分がこんなんじゃダメだと思った。子供が無事に生まれて落ち着いたし、大きな励みになりました」と頼もしいパパの顔を見せた。

 子供が生まれてからは3試合で5安打4打点と絶好調。「ここから開き直って頑張るしかない」と話した。節目の1500安打まであと63本、小笠原(巨人)が持つ9年連続2ケタ猛打賞のプロ野球記録も可能性が残る。幕張のヒットマンが猛チャージをかける。【鳥谷越直子】