<楽天8-0ソフトバンク>◇5日◇Kスタ宮城

 ソフトバンク和田毅投手(27)が今オフのメジャー挑戦の気持ちを完全封印し、新生ホークスでの出直しを誓った。北京五輪後の初勝利を目指して楽天戦に先発も、6回8安打3失点で今季8敗目。08年シーズンは、屈辱の5連敗フィニッシュで幕を下ろした。入団から継続してきたシーズン連続2ケタ勝利は「5」でストップ。入団6年目で初めて貯金なしで今シーズンを終えた。

 突き付けられた現実を、しっかりと受け止めた。今季最終先発。勝てば、残り2試合での中継ぎ起用で6年連続2ケタ勝利を狙うプランも立てられていたが、結果は6回3失点降板。7月13日の日本ハム戦(札幌ドーム)で今季8勝目を挙げて以来、1つも白星を増やせなかった。

 和田

 悔しいですよ。でも、仕方ない。また来年、頑張りましょう。

 今季は23試合に登板し、8勝8敗。昨オフには飛躍を誓い、左ひじにメスも入れた。8月には北京五輪にも出場。ホークスの一員として、また日の丸戦士として手術明けとは思えない活躍をみせたが、結果的には1つの貯金もつくれなかった。試合後、平静を装うように話したが、内心は悔しさにまみれていたに違いなかった。

 苦手の山崎武に、またもやられた。1点ビハインドの6回無死一塁。カウント2-2と追い込んでいたが、6球目の外角140キロ直球をライナーで右中間席まで運ばれた。相手先発は、防御率1点台を誇る岩隈。これ以上の追加点は許されない場面で、最悪の結果を招いた。これで今季対戦成績は7打数6安打、3本塁打。この一撃で完全に試合の流れを渡した。

 試合後、杉本投手コーチは、残り2試合での和田の登板について「もうないと思う。(記録も)厳しくなったね」と話した。ただ、和田自身はすでに来季へ向けて気持ちを切り替えている。「もう仕方ない。ダメなものはダメ。また来年以降、そういう成績を残せるように頑張るしかない」。ここ数年は毎オフ、メジャー挑戦の話題がつきまとう和田だが「オフにもっと練習して、ここ(ホークス)で頑張らないと」と来季のメジャー挑戦の思いはきっぱり封印した。

 チームは3連敗で単独最下位に転落。王監督は和田に対し「何でやられたか研究し、自分で次に生かさないと」と奮起を促した。和田にとっては屈辱にまみれた08年。この思いは来季、倍にして返すしかない。【石田泰隆】