ソフトバンク秋山幸二新監督(46)が15日、孫正義オーナー(51)から「アイフォーン」補強を確約された。秋山新監督は王貞治最高顧問(68)とともに監督就任後、初めて東京・汐留の同本社を訪問し、孫オーナーと懇親した。昼食を挟んで約2時間の会談では、話題は来季に向けた戦力補強から秋山新監督の現役時代のエピソードまで多岐に及んだ。その中で孫オーナーからデータ分析に関して、ある提案があった。

 孫オーナー

 現場で使っているビデオをアイフォーンで見たらどうですか?

 福岡ヤフードームの一塁側ベンチ裏には資料室が設置され、試合の映像、相手チームの戦力分析など、各自が視聴できるようになっている。「相手のクセを研究したりするのにアイフォーンならどこでも見ることができますから」と孫オーナー。北京五輪男子フェンシングの銀メダリスト、太田雄貴選手がデジタル携帯音楽プレーヤー「アイポッド」に対戦相手の映像をダウンロードし、対策に役立てたという逸話を、孫オーナーは耳にしたという。

 「アイフォーン」も同様の機能を備えており、系列のソフトバンク・モバイルが国内での販売権を持っている。「(アイフォーンが)うちには売るほどありますから。ソフトバンクはもともとデータ分析のIT企業ですし、活用してほしい。全面的に支援します」と孫オーナーは要請があれば、全選手への支給も惜しまない考えを示した。

 米大リーグでも導入されている方式だけに、秋山新監督は「野球の世界でも情報は大切。移動中でも家でも見れるのがいいし、ぜひ活用したい」と採用に前向きだ。もちろん、新外国人獲得など、本来の補強でも本社の全面的支援を約束された。「めざせ世界一、前面にして、世界に通用する選手を育てたい」。秋山新監督が「モバイル補強」を活用し、チームの再建を図る。【中村泰三】