<オープン戦:西武9-6ヤクルト>◇29日◇西武ドーム

 レオ侍が大暴れした。西武の中島裕之内野手(26)が右越え3ランを放てば、片岡易之内野手(26)は三塁打、二塁打、単打で3安打猛打賞。チーム復帰戦となったWBC日本代表コンビが2人合わせて“サイクル安打”の活躍で、ヤクルトに逆転勝ち。日本一チームがオープン戦9位と振るわなかったものの、連覇に欠かせない主役の加入で、戦闘態勢は整った。

 世界一へと導いた勢いを、そのまま西武ドームに持ってきた。マウンドには、韓国代表候補の経験もあるヤクルトの新外国人・李恵践。WBCでの激闘を思い起こさせるような左腕を、力と技で攻略した。1回、片岡の右中間を破る三塁打をきっかけに先制。3回にも片岡の左越え二塁打などでつくった無死一、三塁のチャンスで、中島が右越えに逆転3ラン。この回6点を奪う猛攻でKOした。

 復帰戦からエンジン全開だ。中島は「感触は良かったけど、フェンス手前で捕られるかな」と心配したが、らしい右方向への打球はグングン伸びた。3安打した片岡は「WBCではボールが飛ばなかったので、思いのほか打球が伸びた」と“WBC効果”に胸を張った。戻ったベンチで仲のいい中村と久々の即興ダンスで喜び合った。2回に失策した中島は「あそこで打たなアカンと思いました」と1発で取り返してニッコリ。中島は笑顔を、片岡はユーモアを届け、オープン戦で苦しんだチームに本来の明るさと活気が戻った。

 前日28日の試合後に、珍しく選手全員を集めてゲキを飛ばした渡辺監督は「2人がいるだけで、だいぶ流れが変わった」と存在感を再認識した。二遊間コンビで1番に片岡、3番に中島がいればこそ、日本一チームは力を発揮できる。厚みを増した打線は14安打9得点。たくましさを増して帰った2人が、連覇へのキーマンになる。【柴田猛夫】

 [2009年3月30日8時29分

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