オリックス長田昌浩内野手(25)と土井健太捕手(20)の2人が、キューバ共和国から「豪華キューバ自主トレの旅」の招待を受けたことが11月30日、明らかになった。2人は今年、キューバに野球用具を寄付。感謝のしるしとして、12月3日から約2週間のツアーが用意された。

 この日、神戸市内で契約更改した土井が「大使館から招待されました。最初は驚きました。僕らが送った道具を子供たちがどう使っているのか、実際に見て確かめたい。僕の中で雑草魂が燃えてくるかも」と語った。初の海外旅行がいきなりキューバというのも珍しい。

 きっかけは純粋な善意からだった。経済封鎖で野球用具を満足にそろえられないキューバの環境に胸を痛めた長田が、まずは土井に声を掛け、今春のキャンプ後から中古の用具やアンダーウエアなどを収集。他球団やアマ選手の協力も得て、8月にボール240個、バット92本などを寄贈した。

 ここまではよくある慈善行為だがサプライズが待っていた。渡航費の一部は補助され、現地ではボディーガードが付き高級ホテルに滞在。通訳まで用意されるという。現地で本格的に自主トレを行うが、練習場もばっちり完備している。

 何より期待できるのはVIPたちとの出会い。「セレモニーではWBC代表選手や向こうの王さん、長嶋さんみたいなスゴい人にも会えるみたいです」と土井。キューバの至宝リナレスか、もしかしてカストロ前議長にも会える可能性がある。国境を越えた野球人の「友愛」が大きな夢を広げた。

 [2009年12月1日12時2分

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