西武ドラフト1位菊池雄星投手(18=花巻東)が同じ東北出身の岸孝之投手(25)から「もっと積極的になれ」とアドバイスを送られた。17日、西武第2球場での新人合同自主トレで、岸と念願の初対面。練習であいさつした際にカーブ伝授をお願いしたが、練習後のロッカールームでは、恐縮するあまり聞けずじまい。絶好のチャンスを逃し、新球習得は2月の宮崎・南郷キャンプに持ち越しとなった。

 練習では周囲を圧倒し続ける怪物左腕も、素顔はやはり18歳の高校生だった。菊池は練習に来た岸にあいさつすると、同じ東北人との初対面の喜びもそこそこに、早速「入門」を申し込んだ。「『変化球を教えてください』とお願いしました。球種?

 もちろんカーブです。緩急をつけられるようにしたいので」と目を輝かせた。大物ルーキーたってのお願いを岸も「教えられる限りのことはする」と快諾していた。

 カーブ習得講座は早速開催されるはずだった。練習終了後、室内練習場の脇にあるロッカールームで、菊池は岸や同じく練習に来ていた涌井とゆっくり話をする機会に恵まれた。しかし、聞けなかった。「地元の話とかで1時間くらい盛り上がったんです。でも(カーブのことは)聞けませんでした。自分はまだ聞けるような選手じゃないので」と苦笑した。謙虚な性格もあってか、初めて会う先輩には緊張して、肝心なことを聞けなかった。

 一方の岸は拍子抜けに終わった。「聞いてくると思ったんですけど…」とこちらも苦笑い。東北人の引っ込み思案な性格は、自分にも通ずるところがあるので十分に理解できる。だからこそアドバイスを送った。「(同じ東北人として)仲間意識はある。もっと積極的になるように(記者の方からも)言っておいてくださいよ」と話した。

 練習では疲れもあってブルペンには入らなかったこの日の菊池。ここまでは直球しか投げていないが、調整自体は順調とあって「キャッチボールから変化球を投げて練習していきたいです。キャンプのブルペンでいきなり変化球を投げるのは、負担がかかるので」と徐々に解禁していくつもりだ。岸の言葉を伝え聞き「次こそ聞けるように頑張ります」と力強く“リベンジ”を誓っていた。【亀山泰宏】

 [2010年1月18日8時29分

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