<広島6-1横浜>◇22日◇マツダスタジアム

 惜しくも完封は逃した。広島斉藤悠葵投手(23)は土壇場の9回2死から失点。それでも最後まで投げ切り、プロ5年目の初完投で3勝目をつかんだ。

 6点リードの8回だ。横浜ハーパーに本塁打性の当たりを食らうが、中堅・天谷がフェンスに駆け上がり、のけぞりながらのイナバウアーキャッチで危機を脱した。「入ったと思ったので、天谷さんが捕った時は全身がしびれた」と斉藤。4日の横浜戦(マツダ)でも赤松の超美技に助けられたばかり。「そういう意味では僕は持っているな」と笑わせた。

 広島屈指のおしゃれ。登板当日にはまゆ毛をしっかりと整え、マウンドに向かう。女性からの支持率も高い。年明け早々のことだ。広島県警の1日通信指令官を務める斉藤を一目見ようと、会場の広島駅地下広場には多くのファンが集結。用意された100席は満席。もちろん最前列は若い女性で占められ、りりしい制服姿の斉藤の一挙手一投足に感嘆の声が漏れるほどだった。

 今季は開幕ローテ入りも、調子が上がらず中継ぎ登板をしたことも度々あった。「今季の成績は取り返せないが、先発を任されたら勝ちに行く」。昨季9勝の意地を見せる。【佐藤貴洋】

 [2010年8月23日11時1分

 紙面から]ソーシャルブックマーク