竜虎相打つ。セ・リーグ首位攻防3連戦が7日、スカイマークで幕を開ける。0・5ゲーム差で首位に立つ阪神は、死球で左ふくらはぎを痛めて5日の広島戦(マツダ)を欠場した平野恵一内野手(31)がスタメンに復帰する。リーグタイ記録のシーズン4度の20安打以上を誇る猛虎打線も、中日戦になるとチーム打率が2割3分7厘と元気がない。2番平野は3割2厘と打率も良く、復活打で天王山を制し、首位打者返り咲きも狙う。

 鉄人譲りの闘志だった。平野は自ら復帰へのGOサインを出した。「大丈夫!

 もう普通に歩けますから」。左ふくらはぎに死球を浴びた翌5日の広島戦を欠場した。痛みがないはずはないが、天王山に、打率3割5分4厘で首位打者を狙う男が帰ってくる。

 わずか3日での復帰の裏にはアニキのアシストがあった。「治療器を借りて、腫れも一気に引きました」。死球を受けた4日の夜。「これを」と金本が遠征先に持ち歩く秘密兵器を貸してくれた。復帰困難に思えた数々の故障を治し、鉄人の体をサポートしてきた特製電気器具の効果はテキ面で、病院へ行くこともなかった。

 中日戦に平野は欠かせない。12球団トップの2割9分2厘を誇るチーム打率も、中日戦はセ・リーグ対戦別で最低の2割3分7厘まで下がる。だが平野は3割2厘の好相性。「目の前の試合を1試合ずつ戦っていくだけ。相手は関係ない」。8月19日の横浜戦で今季初死球を受けてから15試合で6個と厳しい内角攻めに遭っているが、1厘差で迫る首位打者和田を直接対決で追い抜くチャンスでもある。

 途中交代した4日は、急きょ2番二塁に入った25歳の坂が3年ぶりの1発。5日は2番に入った新人藤川俊が2打席連続適時打を放ち、プロ初スタメンで二塁に入った2年目上本も猛打賞&好走塁と暴れた。ベンチで見ていた平野は「代わりの選手が活躍したのはいい刺激になるし、危機感にもなります」と言った。

 練習休みの6日、甲子園で患部の治療やトレーニングに時間を費やしたもようだ。オリックス時代の原点神戸でHランプをともし、勝ちを導く。【松井清員】

 [2010年9月7日9時4分

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