7年ぶりVへ、なりふり構わぬ秘策だ!

 ソフトバンクが誇るリリーフ6人衆「火消6(ヒケシックス)」が、残り15試合で先発起用される可能性が出てきた。先発投手陣は5試合連続で白星から見放されており、首脳陣は救援陣を先発に回すプランを明かした。甲藤、森福、金沢が有力候補だが、摂津、ファルケンボーグ、馬原の「SBM」の出番もあり得る。超スクランブル態勢で、悲願のペナント制覇を狙う。

 福岡ヤフードームで行われた先発投手練習を終えた高山郁夫投手コーチ(47)が、並々ならぬ勝利への執念を口にした。ここ5試合先発投手陣に白星がない中、首脳陣はウエスタン・リーグで好調だった大場の1軍昇格を決定。中継ぎ待機させる大場の先発起用について話しが及ぶと、同コーチは秘策を口にした。

 高山投手コーチ

 (大場は)それ(先発)も含めて考えている。大場に限らず、今のリリーフ陣の中で、そういう風に考えている。

 まさに、スクランブル態勢だ。現在、先発陣は質量ともに不安を残す。ホールトンの離脱に伴い、7日は陽が今季3度目の先発。9日に先発予定の山田は最近2試合の先発で5回を投げておらず、10日に先発予定の小椋も先発7試合で白星がない。首脳陣は小椋と山田に関しては今週をラストチャンスと考え、最終手段として中継ぎ陣を先発起用させる考えだ。

 勝利のため、リーグ屈指のリリーフ6人衆「火消6」をプレーボール直後からフル活用させる考え方だ。「火消6」のうち森福は今季最長で3回2/3、同じく甲藤が2回2/3、金沢が2回1/3を投げている。この3人のうち、2人ないし3人にプレーボールからの6イニングを任せる事は可能。7回以降を「SBM」につなげば、勝利の確率はグンと増すはずだ。短いイニングを6人全員で9回までつなぐと考えれば「SBM」の誰かが先発マウンドに上がる可能性も否定できない。

 摂津が64試合、甲藤が59試合と、救援陣はあきらかに登板過多だ。「火消6」の先発起用はさらなる負担を強いる。だが、ここ6年間Vを逃してきた大きな原因の1つが、9月の負け越し。今季もここまで1勝4敗と負けが先行している9月を制し、ペナントを制すために、秋山ホークスがなりふり構わぬ作戦に出る。【倉成孝史】

 [2010年9月7日11時54分

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