球団史上初の「3冠王」も夢じゃない!

 広島前田健太投手(22)が、ラスト1カ月の大勝負に入った。6日はマツダスタジアムで練習に参加。8日に予定されるヤクルト戦(神宮)での先発に備えた。ここまで勝利数、防御率、奪三振数の3部門でトップに立っており「一番になれるように」と意気込んだ。広島では91年佐々岡らの2冠が最高。前回登板の1日中日戦(ナゴヤドーム)で9回1失点と好調モードに入っており、大記録に挑戦する。

 初秋に入っても前田健から目が離せない。本拠地で投球練習を行った背番号18は汗をぬぐいながら、終盤の戦いに思いをはせた。

 前田健

 ラストスパートという感覚はありません。1試合1試合、しっかりと投げられたらいい。勝ち星にもこだわって防御率にもしっかりこだわっていきたい。今年セ・リーグで一番になれるようにしたい。

 開幕からフル回転し「何か1つは(タイトルを)とりたい」というスタンスだが、球団史上かつてない大記録に挑戦できる立場にいる。防御率、最多勝、奪三振の「3冠王」に輝いた投手が、広島には1人もいない。75年外木場(最多勝、奪三振)、86年北別府(最多勝、防御率)、91年佐々岡(最多勝、防御率)らの2冠が最高。まさに「エース冥利(みょうり)」に尽きるチャレンジだ。

 蓄積疲労、右手中指のマメを乗り越え、上昇気配を示す。前回登板の1日中日戦では最速149キロをマークし、9回1失点にまとめた。

 前田健

 久しぶりにいい感じで投げられた。オールスター明けは1回も投げられなかったけど、気分良くいいイメージで次の試合に臨めます。

 好不調を表すバロメーターは打者が打つファウルの「質」だ。「真っすぐでファウルを取れるか。打者が待っていた球がファウルになったり、ドンピシャのタイミングでもファウルになったりする場合ですね」と説明する。有利なカウントに持ち込むため、打者の反応を重要視する。

 また、戦況に左右される勝利数よりも防御率を重視する。ここまで2・28だ。パ・リーグでは日本ハム・ダルビッシュが1・97でトップ。「負けないように。リーグは違いますが、まだまだ負けています」。目標はズバリ1点台だ。

 チームもタイトル奪取をアシストする。今季は残り6試合程度に先発。12勝は巨人東野、中日吉見、阪神久保と並ぶ。混戦が予想され、登板間隔を詰める必要性も生じる。山内投手コーチも「いまのところ考えていないけど、あるかもしれない」と否定しない。エースの奮闘を一丸で支える。【酒井俊作】

 [2010年9月7日10時56分

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