逆転Aクラスを狙う日本ハムが、スランプが続く中田翔内野手(21)を今季終了までレギュラー固定する方向性であることが13日、分かった。9月に入って打率1割5分と下降線だが、梨田監督ら首脳陣は継続してスタメン起用する方針。起爆剤の1人として、残り12試合での再爆発に望みをかけることになった。

 3年目スラッガー中田に、5年連続のポストシーズン進出の夢を託した。福岡から札幌への移動休日になったこの日、福良ヘッド兼打撃コーチは首脳陣の覚悟の一端を明かした。「(中田)翔は使い続けることになると思う。もうここまできたら」。9月は11試合で40打数6安打、本塁打なしで14三振。極度の不振だが“心中”する決意で、グラウンドへ送り出す。

 中田の真価を試される時がきた。7月19日に再昇格してから、41試合連続で先発起用が続く。7、8月は月間打率ともに3割超で計9本塁打と開花の兆しを見せたが、急降下。ライバル球団の対策も進み、沈黙が始まった。11日ソフトバンク戦で杉内から15試合ぶりの適時打を放っても「状態?

 別に変わりない」と復調の確信をつかめていない状況でも、首脳陣の期待の大きさは変わらない。

 負傷離脱中の金子誠、高橋のレギュラーシーズン中の復帰が絶望的。二岡も左手中指ねんざで、野手はやや手薄な状況でもある。梨田監督は「元気な者でやっていくしかない」と腹をくくって組んでいくオーダーの一角に、中田が不動で座ることになりそうだ。3位ロッテに1ゲーム差と、クライマックスシリーズ進出を視界にとらえて迎えるシーズン最佳境。中田の奮起が、苦闘の今季を占うカギの1つになる。【高山通史】

 [2010年9月14日11時17分

 紙面から]ソーシャルブックマーク