<日本ハム3-2オリックス>◇20日◇札幌ドーム

 日本ハムが継投策をさく裂させ、3位タイを死守した。先発糸数の乱調で、2点ビハインドの3回から2番手榊原諒投手(25)を投入する勝負手が的中。3回に3点を奪って逆転した虎の子の1点を、5人のリリーフ陣が守り切った。梨田昌孝監督(57)の一戦必勝の総力戦が実り、5位オリックスを再び1・5差へと突き放した。5年連続のAクラス死守へ、大きな白星をつかんだ。

 ベンチワークの応酬で、CS圏争いの天王山を登り切った。梨田監督が、オリックス岡田監督との知力を振り絞った継投合戦に勝った。両チーム11投手を繰り出しての神経戦。「お互い駆け引きみたいというかね。そんな簡単なもんじゃない」。激闘を制した指揮官は、肩の荷が下りた充実感に浸った。

 味方もあざむくような第1手から、局面を動かした。2点を追う展開になった3回、迷わずベンチを出た。先発糸数を見切り「ミスター・スクランブル」のロング救援要員、榊原を送り込んだ。その直前、早期の出番を想定しておらず、頼みの右腕は着替え中。「準備ができていたけれど、ビックリした」と慌ててルーティンのダッシュを済ませ、マウンドへ向かった。

 流れが激変した。榊原が無失点で抑えた直後の3回、2本の適時打などで一挙3点を奪い逆転。5回から打者の左右に合わせ、林-建山-宮西と投入。カブレラを迎えた8回1死からは、守護神武田久に最後まで託した。梨田監督は「守りというか、それが攻め」と攻撃的なタクトで、薄氷のリードを保持する防波堤を完成させた。

 屋台骨になった榊原は、中継ぎだけで9勝目。日本ハムでは97年下柳(現阪神)以来、13年ぶりの快挙でヒーローになった。中継ぎ陣は2人を残すだけという延長突入を度外視。前日19日に0・5ゲーム差に迫られた難敵を、なりふり構わずに倒した。梨田監督は、戦う前から継投策必至のこの日、腹をくくっていた。

 梨田監督

 ダメだったら監督の責任やから。成功したら美化されるだけやからね。

 岡田監督との見えない心理戦で、薄氷の白星をまた1つ積み上げた。残り6試合に、全身全霊をかける。【高山通史】

 [2010年9月21日11時10分

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