2年ぶりのリーグ優勝へ足踏みを続ける西武が、切り込み隊長不在の危機に立たされた。優勝マジック4としているが、20日のソフトバンク戦で負傷交代した片岡易之内野手(27)が22日、右ふくらはぎの筋損傷で出場選手登録を抹消された。シーズン残り4試合の出場が不可能となり、クライマックスシリーズ(CS)での復帰も微妙な状況。圧倒的な走力が武器で足のケガは致命傷だけに、場合によっては今季中の復帰が絶望となる可能性もある。代役の1番には栗山を起用する方針だが、3年連続盗塁王の離脱はチームにとって大きな痛手だ。

 片岡は軽度の筋損傷とされていたが、全治は不明。当面は自宅で治療に専念する。渡辺監督は「痛いのは痛いけど、しょうがない。ヤス(片岡)には『ふくらはぎなんて、引退間際の選手がケガするとこだぞ』って言っといたよ」と冗談めかしたが、表情はさえない。「CSまでに戻れればという感じか?」という問いかけにも「できればそこまでに、何とかね…」と、トーンは上がらなかった。

 片岡はこの日、西武ドームで首脳陣と今後について話し合った。足を引きずりながら帰る際には無言だったが、代役を任される予定の栗山は「『頑張ってくれ。勝ってくれ』と言われた。片岡さんが1番に戻ってこられるように勝ちたい」と、胸中を思いやった。選手会長の中島も「少しでも時間をかけて治療できるように、1位でCSに行く」と、チームの思いはひとつ。2位ソフトバンクと0・5ゲーム差。4連敗に追い打ちをかける非常事態にも、優勝報告を手土産に復帰を待つ。【亀山泰宏】

 [2010年9月23日11時3分

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