<フェニックスリーグ:ソフトバンク3-6巨人>10日◇サンマリン

 ソフトバンク長谷川勇也外野手(25)が10日、みやざきフェニックス・リーグ巨人戦(サンマリン)で辻内から右側頭部に死球を受けた。担架で球場内の医務室に運ばれ、宮崎市内の病院へ救急車で搬送された。CT検査で異常は認められなかったが、頭部だけに予断は許さない状況。14日からのCSファイナルステージはぶっつけ本番となる見込みで、場合によっては欠場に追い込まれる可能性も出てきた。

 戦慄(せんりつ)の瞬間は、2回の1打席目だった。長谷川が頭を抱え込んだまま、足先を小刻みに動かす。意識はあった。だが、自力で立つことはできない。巨人辻内の投球を右側頭部に受け、倒れ込んだ。反射的に背中を投手方向に向けたが、避けきれなかった。担架に乗せられて球場内の医務室へ。そのままグラウンドに戻ることなく、宮崎市内の病院へ救急車で搬送された。

 CT検査の結果、異常なしと診断された。救急車に運び込まれる直前、救急隊員と会話も交わしており、意識は、はっきりとしていた。検査後は入院することなく、宮崎市内のチーム宿舎で静養した。それでも、頭部直撃だけに今後の調整への影響は避けられない。11日フェニックス・リーグのヤクルト戦(西都)は欠場が濃厚だ。

 大事をとって練習回避し、静養を続けるケースもあり得る。この日の死球は1打席目の初球だったため、14日開幕のCSファイナルステージは、試合調整の機会なく、ぶっつけ本番となることが濃厚だ。野球生命も脅かす個所だけに、無理はできない。今季は日本ハム高橋が頭部死球を受けた影響で体調不良を繰り返したこともあり、場合によってはCS欠場に追い込まれる可能性もある。

 大石ヘッドコーチは試合後に「長谷川がちょっと心配」と表情を曇らせ、主将小久保も「心配なのは恐怖心。14日に頭から出る(スタメン出場)なら、踏み込んでいく姿を期待したい」と話した。今季打率2割5分5厘ながら、134試合出場するなど外野の軸として活躍してきただけに、チームに及ぼす影響は大きい。今後の長谷川に注目が集まる。

 [2010年10月11日10時46分

 紙面から]ソーシャルブックマーク