日本ハムが、日本中を沸かせた「時の人」との強力タッグの実現を目指すことになった。ターゲットは、ノーベル化学賞を受賞した北大・鈴木章名誉教授(80)。日本ハムの大ファンということを知り今オフ、来季開幕へ向け、異業種交流のアイデアを模索中。始球式など一般的な企画から、選手への講義などさまざまなプランが現段階で浮上しており固まり次第、オファーを出す。

 世界の化学者の球界参入が現実味を帯びてきた。発端はノーベル賞受賞後に知った、鈴木名誉教授のプロフィル。球団関係者は「うちのファンらしく、ビックリしましたね」と、青天のへきれきだった。同教授は、むかわ町出身の生粋の道産子。04年の本拠地移転後から、日本ハムのファンになったようだ。

 受賞に敬意を表し、盛り上げ策の検討が始まった。受賞翌日から球団広報らが「球団としては何かでかかわっていただきたいですし、力をお借りしたい」と協議。まずは来季公式戦の始球式など記念セレモニーへの招聘(しょうへい)などを軸に、プランは進行中。チーム指定病院が北大病院で少なからずパイプがあり今後、同教授側と接触して調整していく。

 現場側への「ノーベル・パワー」の注入も視野に入れている。4位で5年ぶりBクラスに沈んだ現状のチームを、世界が誇る頭脳は、どう見ているのか-など、参考になる部分もありそう。受賞に至るまでの研究への執着、過程などを披露してもらえれば、伸び悩む若手にとって大きなプラスになりそうだ。【高山通史】

 [2010年10月11日10時21分

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