<セCSファーストステージ:阪神6-7巨人>◇第2戦◇17日◇甲子園
巨人が阪神に逆転勝ちし、2連勝でクライマックスシリーズ(CS)ファーストステージを突破した。
巨人の新守護神・山口鉄也投手(26)が、好救援で阪神との激戦を締めくくった。1点リードの8回1死から登板。2番から中軸へと続いた8、9回を無失点で抑え、ファーストステージ2試合連続でセーブを挙げた。先発からスタートした今季は中継ぎ、抑えと度重なる配置転換に対応。緊迫した場面をしのぎ、不調が続くクルーンの穴を埋めた。
1点リードの9回、マウンドに小走りで向かう背番号47を、左翼席のファンは温かい拍手で迎えた。首脳陣から寄せられた信頼と期待を胸に、山口はマウンドに上がった。2試合連続で任された最終イニング。「めっちゃ緊張しました。点差が点差だったんで。全然慣れないです」。堂々たる投球で試合を締めたが、心臓はバクバクだった。
登板した8回、坂本、阿部ら駆け寄るナインの言葉に力が抜けた。「来た、来た。すごい顔をして来たよ」。張り詰めた表情が一瞬、笑顔に変わる。「余裕はなかったですけど、みんなが笑わせてくれて。リラックスして投げられました」。ナインが考案した新守護神を迎える“儀式”で気持ちを落ち着け、戦闘モードに切り替えた。
第1戦に続いて、完ぺきな火消しだった。8回は鳥谷に安打を許したが、続く新井をピシャリ。9回は3者凡退で締めた。「とにかく腕を振ろうと。1つ1つのアウトを、という気持ちだった」。勝利への執念と信念を全26球に込めて阪神打線にぶつけた。
今季は先発、中継ぎ、抑えとフル稼働。度重なる配置転換を真っ向から受け止めた。根底にあるのは感謝の心だった。「僕は拾われた身。出番を与えてもらえるだけありがたい。チームに必要としてもらえる場所があれば、それで幸せなんです」。不安な表情を見せるのは、期待に応えたい思いが強いから。「山口コール」があれば、マウンドへ走る覚悟がある。
あこがれの人の言葉が、いつも胸にある。部屋のリビングに飾られた1着のユニホーム。サインとともに「ベスト・オブ・ラック・イン・ユア・キャリア(幸運を祈る)」の言葉が刻まれている。2年前、米国の同じジムでトレーニングに励んだメジャー通算303勝の左腕ランディ・ジョンソンから贈られた。悩み、落ち込んだ時、この言葉を思い、力に変えてきた。
試合後、山口はポツリとつぶやいた。「あぁ、良かったぁ」。ハイタッチで迎えてくれたチームメートの笑顔に、心の底から漏れた言葉だった。「次、勝たないと意味がない。中日に全勝できるように頑張ります」。ファイナルステージ、日本シリーズと、巨人の救援陣のトリを山口が務める。【久保賢吾】
[2010年10月18日11時14分
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