<パCSファイナルステージ:ソフトバンク2-4ロッテ>◇第4戦◇17日◇福岡ヤフードーム

 追い込まれたロッテが踏みとどまった。ソフトバンクに王手をかけられ、1敗もできない中、渡辺俊介投手(34)が9回途中まで2失点と好投。2軍落ちしたままシーズンを終えたサブマリンが、大一番で見事に復活。対戦成績を2勝3敗に戻した。

 最後の打球が里崎のミットに収まるのを渡辺俊はベンチから祈る思いで見ていた。9回、不運な当たりもあり、連打でピンチを招いて降板。マウンドを小林宏に託していた。のど元を圧迫されるような緊張感から解放されると「力が抜けて、座り込みそうになりました」。それほど、思いを込めて見ていた。

 1回、いきなり見せ場がやってきた。四球で出塁を許した盗塁王の本多を3度目のけん制で刺した。1球目は緩いけん制、2球目に速いけん制を送ると、最後は少し長く持ってタイミングをずらした。本多は一塁に手を伸ばすことすらできなかった。「盗塁の多い走者は、本塁へ投げる動作をよく見ていますからね」。けん制動作に工夫をしていた。練っていた本多対策が生きた。

 ここから一気に波に乗った。テンポのいい投球で9回途中まで連打を許さなかった。100キロ以下のスローカーブが効果的に決まり、的を絞らせなかった。「行けるところまで行こうと思った。つぶれたら中継ぎが待ってる。いつつぶれてもいいと思った」と仲間を信じて飛ばした。

 しっかりした準備があった。ファイナルステージの前日から、デーゲームの登板に合わせた生活に切り替えた。チームメートがホテルの外に食事に出かける中、ルームサービスの食事で済ませ、早々に床に就いた。絶対に負けられない大一番での先発に向けて、静かに闘志を燃やしていた。

 CSに入ってチームを救うのは2度目だ。ファーストステージ突破を決めた10日の西武戦では、3失点のマーフィーの後を継いでチームを勝利に導いた。当初、フェニックス・リーグで調整する予定だったが、荷物だけが千葉から宮崎、所沢とせわしなく移動する中、淡々と仕事をこなし、この日の快投への布石にした。

 シーズン終盤を不調のため2軍で過ごさなければならなかったが、その悔しさを晴らした。「チームの大事な時にいられなかったので、役に立てて良かった。2つ何とか勝ってもらって、また日本シリーズで投げたい。ここまで苦しい試合をしてきたチームは、簡単には負けません。僕も、精いっぱい、声を出して応援したい」。逆転での日本シリーズ進出へ、力強くバトンをつないだ。【竹内智信】

 [2010年10月18日12時22分

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