<パCSファイナルステージ:ソフトバンク2-5ロッテ>◇第5戦◇18日◇福岡ヤフードーム

 ロッテが5年ぶりの日本シリーズ進出へ逆王手をかけた。0-1の7回、サブロー外野手、福浦和也内野手と里崎智也捕手、34歳トリオの適時打で3点を奪って逆転した。9回には清田育宏外野手(24)がダメ押しの2ラン。早めの継投や福浦の代打など西村徳文監督(50)の采配もさえた。ソフトバンクに王手をかけられてから2連勝で対戦成績は3勝3敗。19日の最終第6戦で、レギュラーシーズン3位のチームとしては史上初となる日本シリーズ進出に挑む。

 逆転を信じていた。逆王手をかけたロッテナインは、はちきれんばかりの笑顔でハイタッチをかわした。主将の西岡剛内野手(26)は「向こうが先に動いてくれたんで、結果はどっちに転ぶかわからないけど、試合が動くと思った」と振り返る。初回の1失点で中盤までリードを許したが、先発の大隣から2番手のファルケンボーグに代わった6回から、流れはロッテへと傾き始めた。

 0-1の7回。「2イニング目に入っていたので、ベンチで『何かあるぞ』と言っていた」という先頭の井口が、二塁打でファルケンボーグ攻略の突破口を開いた。無死二塁で打席には4番サブロー。バントのサインが出ていたが、2度のファウルで追い込まれた。ところが、その直後にファルケンボーグが暴投で無死三塁。カウント2-3から同点適時打を放ち「やっと当たりました。必死でした」。さらに1死三塁からは「いつかチャンスは来る。準備はしていました」と話す代打福浦が、右前へ勝ち越し打を放って一気に流れを呼び込んだ。

 土壇場にめっぽう強い。レギュラーシーズン終盤、CS進出をかけた負けられない3連戦で3連勝。西武とのファーストステージでは9回に4点差を追いつくなど「つなぎの野球」で勝ち上がってきた。このファイナルステージでも初戦を制しながら、2連敗で王手をかけられた。それでも2連勝で最終戦へ持ち込んだ。追い込まれても焦らない。第4戦まで1安打だったサブローは「これ以上落ちることはないし、開き直ってますよ」。7回に適時打を放ったサブロー、福浦、里崎は、いずれも05年に日本一を経験したメンバー。大舞台を経験したベテランが、大一番で力を発揮した。

 西村監督の決断も早かった。1回に1失点した先発の大嶺を2回であきらめて継投を選択した。3回から小野、内、伊藤、小林宏とつないだ。8回には1点差に詰め寄られたが「先発が降板しても、後のピッチャーがよく投げてくれた」と目を細めた。中でも3回1/3を無失点と好救援した2番手小野は攻撃陣に流れを呼び込んだ。失点を最小限に抑えるため、決断した継投策が逆転につながった。

 ソフトバンクの鉄壁救援陣を打ち崩した価値ある勝利。勝敗は五分だが、勢いはロッテに傾いた。7回に適時打を放った里崎は「甲子園に行っていた風がようやく到着したかな。あとはキャッチできるか」とナインの気持ちを代弁した。5年ぶり日本シリーズ進出は目の前だ。それでも、西村監督は「まだ五分じゃない。引き分けたらウチは負け。王手とかじゃなくいつも通りやります」と冷静だった。【斎藤庸裕】

 [2010年10月19日9時24分

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