オリックス岡田彰布監督(52)が現行ドラフト制になって初となるくじ引き3連敗を喫した。1位で早大・大石を外し、外れ1位の東海大・伊志嶺、外れ外れ1位の履正社・山田も抽選で敗退。“4度目の正直”で前橋商・後藤駿太外野手(3年)を単独指名し「大失敗よ」と嘆いた。一方、楽天星野仙一新監督(63)は、1位大石のくじに外れたが、外れ1位で競合した八戸大・塩見貴洋投手(4年=帝京五)の交渉権を獲得。「岡田のことを考えたら幸せや」と、ライバルに先制パンチをかました。

 岡田監督の苦笑いが止まらない。「右肩が上がらんから左で行くわ」。予告通りに抽選箱に3度突っ込んだ左手はついに当たりくじをつかむことはなかった。12球団の1位指名が確定した直後の会見。「2回目からは重複するとは思わなかった。がっくり」「大失敗よ」「情報不足よ」。自らのくじ運の悪さを嘆き、怒りとブレンドしてまくしたてた。

 直前で1位候補に即戦力左腕をちらつかせ他球団をけん制しながら、母校の早大・大石を指名。「4つくらいと思うたけど」。6球団によるくじ引きは楽天星野、阪神真弓と、新旧虎将3人がそろう注目の対決だった。オリックスは4番目。当たりくじは残っていたが、確率3分の1を外してしまい、西武に残り福を献上した。

 外れ1位でも東海大・伊志嶺はロッテと競合。開封にもたつく間に西村監督の拳が上がった。さらに履正社・山田もヤクルトとかぶると会場は失笑に包まれた。2分の1のくじに敗れ、現ドラフト制で史上初のくじ引き3連敗となった。

 「一本釣りしてるとこもあるし、もう少しうまくせんと。(他球団は)外れ(1位)で分散したのにあの重なりはどうなんやろ。全然安心してたのにな」。

 振り返れば前日27日から不吉なシグナルはあった。新大阪駅でエスカレータの上り下りを間違えるハプニング。幸先悪く、到着した品川駅で迎えの車が遅れた。おまけにこの日も帰りの車がうまく手配されず「また車、けえへんやん」とため息。岡田監督は阪神時代から1位指名の抽選で4連敗。くじ引きは通算1勝6敗と大きく負け越した。煙幕を張り続けたドラフト1位戦略はまさかの作戦ミスに終わった。

 [2010年10月29日11時32分

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