もう、内弁慶とは言わせない。中日吉見一起投手(26)が27日、苦手東京ドーム対策として専用スパイクを導入する考えを明かした。ナゴヤドームで行われたファン感謝デーに参加。今季巨人戦は5勝1敗ながら、敵地で1勝1敗、防御率9・00に終わったことを猛省した。敵地仕様の秘密兵器で、巻き返す。

 吉見がスペシャルスパイク作製に動きだす。改良を加えるポイントは靴底。ヒールの部分を薄くして軽量化し、素材も滑りにくいものに変える。具体的にはメーカーとの話し合いを経て完成させるが、12月上旬に担当者に発注する。

 吉見

 これまでも東京ドームと神宮ではマウンドが滑るから替えようか迷っていた。広島(マツダスタジアム)とか横浜は大丈夫だけど、あの2つはしっくり来ない。何とかしようと思ってます。

 二刀流ならぬ“二足流”だ。これまでは同じ形のスパイクをシーズン通して使用してきたが、改める。一般的にマウンドの土が硬いと言われるナゴヤドームでは従来のスパイクを使用。比較的柔らかい東京ドームなどでは“ビジター仕様”のスパイクを投入する。マウンドの特徴によって使い分けようという計画だ。

 連覇への最大の障壁となる巨人を打ち砕くには、東京ドーム対策は大きな要素。今季は5勝1敗と圧倒したが、敵地では3試合で1勝1敗、防御率9・00と打ち込まれた。本拠地ではめっぽう強いが、敵地では別人とも言える変ぼうぶり。巻き返しへの秘密兵器になるのがビジター専用スパイクだ。

 体にはまだ悔しさが染みついている。日本シリーズ最終戦となった第7戦では4回7安打3失点で降板。ほぼ1年を通じてチームに貢献してきたが、最後の最後で踏ん張りきれなかった。右ひじ痛の影響があったとはいえ、モヤモヤが残る結末だった。

 吉見

 最後にふがいないピッチングをしてしまった。来年こそは最後までチームに貢献できるように頑張りたい。

 15日に手術した右ひじの経過は順調だ。すでにナゴヤ球場でリハビリを開始している。これまでも広島との開幕戦でスパイクのひもが切れるなど、何かと足元に悩まされてきた右腕。もちろん、すべてがスパイクが原因というわけではないが、新たなシーズンへ向けて不安要素は1つでも取り除く。【桝井聡】

 [2010年11月28日11時15分

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