佑ちゃん、たった1日で1軍合格!

 日本ハムドラフト1位斎藤佑樹投手(22=早大)が、2月1日から始まる沖縄・名護キャンプで1軍スタートとなることが決まった。12日、千葉・鎌ケ谷で、新人合同自主トレーニングがスタート。斎藤佑は、視察した梨田監督ら首脳陣に軽快な動きをアピールするなど存在感を示し、練習終了後のスタッフ会議で1軍抜てきが決定。12球団の新人一番乗りでキャンプの1軍が内定し、「持っている」船出となった。

 斎藤佑がわずか2時間の練習で、首脳陣のハートをわしづかみにした。午前10時から、オレンジ色のネックウオーマーとシューズでランニングメニューや、軽めのキャッチボールを消化。「気持ちよかった。1つ1つのメニューを意識しながらやりました」と初日を終えると、吉報が待っていた。午後1時から梨田監督らが参加して行われたスタッフ会議で、キャンプ1軍スタートが内定した。

 待望の対面で、梨田監督の目はハート形になっていた。抑え気味にドラフト6位斉藤勝とキャッチボールする斎藤佑を目の当たりにして「腰から下が大きい。どっしりしているように見えた。安定したフォームで足を長く使いながら投げている」。室内練習場ではノックの打球が顔をかするハプニングもあったが、前評判通りの資質を披露したルーキーを絶賛した。

 26日に1、2軍を振り分けるキャンプ前の最終のスタッフ会議を開催する。通常ならそこで正式決定するはずが、前倒しで1軍を即決した。ほかに3位乾、4位榎下の大学生コンビ、社会人の6位斉藤勝と即戦力3投手の1軍帯同は現時点では見送られたが、梨田監督は「斎藤は連れていく」と力強く断言した。

 スーパー新人らしい初日は“番外編”も見せ場たっぷりだった。訪れたファンは練習日としては鎌ケ谷スタジアムの最高記録の2500人、報道陣は35社230人。合同自主トレでは異例の16人の警備員が場内整備に当たった。球場にある200台の駐車場は、自主トレがスタートした午前10時に満車。球場周辺には路上駐車が目立ち、千葉県警のパトカーが警告して回るなど混乱した。周辺道路は一時2~3キロの渋滞となり、梨田監督の車も巻き込まれ、約15分間立ち往生。練習開始に“遅刻”した。

 フジテレビの番組「とくダネ!」が、午前10時前に寮から出てくるところを生中継するなど、テレビの情報番組やニュース番組は夜遅くまで斎藤佑の映像が流れた。本人は「すごいですね。ありがたい」と涼しげな顔だったが、強烈な存在感を示す初日となった。

 キャンプ1軍の内定を伝え聞き、斎藤佑は「うれしいです。ただもっとアピールしていきたい」と浮かれるところはなかった。早大に卒業論文を提出するなどフル回転の1日は、夜に都内のホテルで行われた早実野球部のOB会に参加して終了。スケール感たっぷりにプロとしての第1歩を踏み出した。【木下大輔】

 [2011年1月13日8時6分

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