ソフトバンク細川亨捕手(31)が27日、楽天との実戦形式の合同練習で左側頭部に死球を受け、福岡市内の病院に搬送された。精密検査の結果、異常はなかったが、大事をとり、28日からの関東遠征には帯同しない。早ければ4月1日に1軍再合流するが、今後の影響が懸念される。

 倒れ込んだ場所で細川がしばらく動けなかった。うつぶせのまま、起き上がることができず、担架でベンチ裏に運ばれた。7回裏。1死一、三塁での3打席目。戸村の投じた142キロ直球をしゃがみながら避けようとしたが、ヘルメットの上部、左側頭部への死球となった。打席内で崩れ落ち、敵将星野監督が心配して歩み寄るなど、緊迫した空気に包まれた。福岡市内の病院で受けたレントゲンとCT検査の結果は打撲。大事にいたらなかったのが、何よりの救いだった。

 救急車で福岡ヤフードームを離れてから約1時間半後。細川はトレーナーと徒歩で球場に帰ってきた。表情には笑顔が戻り、細川本人は軽症を強調した。

 細川

 全然大丈夫ですよ。今まで3度か4度当たってきたし。というか、ベニーにもやられてきましたし。そういうのに比べたら大したことないです。

 ただ、打撲箇所が急所である側頭部だけに、楽観視はできない。1軍は28日から関東遠征。細川も帯同予定だったが、大事を取って、福岡居残りが決定。29日に2軍練習場の雁の巣球場で居残り投手陣と練習するスケジュールに変更された。細川自身は、状態を見て30、31日のウエスタン・リーグ出場を検討するというが、原則として練習のみの方向。昨年は日本ハム高橋信が頭部死球の影響で長期離脱したケースがあった。復帰時期を慎重に見極める必要がある。

 秋山監督は「滋賀には行くよ」と話し、早ければ4月1日からの関西遠征に帯同させる方針。球場を引き揚げる際、迎えにきた2人の子どもから「大丈夫?」と聞かれ「全然大丈夫だよ」と答えた。古巣西武との慈善試合(皇子山)が開催される4月2日、実戦舞台に戻ってくる見込みだが、今後が注目される。【松井周治】