俺たちが杜(もり)の都を盛り上げる。プロ野球マツダオールスターゲーム2011(7月22~24日)のファン投票と選手間投票の最終結果が6月30日、発表された。楽天からは山崎武司内野手(42)と嶋基宏捕手(26)の2人が選出。ともにファン投票、選手間投票の両方で選ばれた。7月24日の第3戦はKスタ宮城で行われる。地元ファンに選出御礼の勇姿を披露する。

 朗報を、山崎は炎天下で聞いた。仙台・泉の2軍練習場。右薬指剥離(はくり)骨折から懸命のリハビリを続けているベテランは、うだるような暑さに負けなかった。気温34・4度。6月の仙台では観測史上最高も、永池育成コーチの打つゴロを軽快にさばいた。球宴選出の一報に「本当?

 そりゃ、うれしいな」と笑顔で汗をぬぐった。

 願いがかなった。名古屋、仙台と第1、第2の故郷で開催。震災が起こり、東北の人たちを勇気づけたい思いも募った。「前半戦頑張って出よう」と目標にかかげた。ところが、6月11日の中日戦で負傷。くしくも40歳代シーズン通算100号本塁打を放った日、指に衝撃が走った。「もう諦めたよ」と吹っ切ったが、ファンが、そして仲間や好敵手たちが、背中を押してくれた。

 「リハビリの励みが出来た。ファンに感謝したい。言葉は簡単。結果で残す。そのためにも早く治さないとな!」と力強く宣言すると、「このまま振れそうだけどなあ」とバットを握ったまま豪快に笑った。少しでも骨の付きを早めようと、カルシウム成分を摂取。1日5度、レモン味のサプリメントを取っている。「こんなに取るの、生まれて初めて」と苦笑したが、「骨折ぐらいで休んでいられない。急ピッチで治す」。4日に術後3週間の検査を受ける。医師のGOサインが出れば打撃の強度を上げるつもりだ。

 嶋は「たくさんの方に投票いただいて。自分の調子からは信じられない。恥じないプレーをしたい。選手間投票も光栄」と口元を引き締めた。本来の力を発揮できずにいるが、28万を超える票を集めた。震災後「見せましょう。野球の底力を」と訴えた真心は全国の野球好きに届いていた。

 東北代表、山崎と嶋。夢の舞台でも大暴れする。【古川真弥】