<西武7-4オリックス>◇9日◇西武ドーム

 試合前は「紛らわしい」、敗戦後は「ハッキリしてる」。西武に敗れたオリックス岡田彰布監督(53)が怒将モード封印して黒星を解説した。同点の5回に近藤が3ラン、1点差の7回に桑原が2ランを被弾。2死無走者からの与四球が響いただけに「腹立たん」と予想外?

 にさっぱりしていた。

 オリックスのビジター用と西武の初代ライオンズの復刻版は同じグレー基調のユニホームだった。敵味方の区別がつけにくく、岡田監督はぶつぶつ不満を漏らしていた。

 「これ、色同じやし、ランナー出たら分からんな」。

 試合は、6連敗と弱っていた西武に白星をプレゼントするような形で敗れた。怒将モード突入は確実とみられた。それが不気味なくらいに白い歯を浮かべ、ご機嫌だった。

 「原因ハッキリして負けるからええよ。腹立たん」。

 報道陣は全員、目が点。すると岡田監督は優しい口調で敗因を説き始めた。

 「四球からやんか。はっきりしてるやん、打たれてる原因。ストライク投げてソロならどうってことない。四球がアカンねん」。

 2-2とした直後の5回。先発近藤は2死無走者から中島に四球、中村に安打され、フェルナンデスに勝ち越しの3ランを浴びた。「同点に追いついてもらって、2アウトからやろ」。さらに1点差だった7回2死無走者では桑原がストレートの四球を出し、中村に2ラン。アウト1個でチェンジにできる場面で、四球を絡みで都合5失点。ユニホームの紛らわしさとは対照的に黒星につながる理由は「ハッキリ」としていたわけだ。

 岡田監督は「1つくらい負けたってどうってことないよ」とニコニコ。黒星1個の「勉強代」で不用意な失点が減るなら安いもの。貯金があるからこそ、長いペナントレースを見すえた意味ある敗戦にできた。

 「こうしたら負けるの分からしただけやん。そういう投手は置いておけんけどな。当たり前やろ」。

 最後には落第をちらつかせる厳格な顔も見せて、岡田黒星教室は終了のチャイムが鳴った。さあ、しっかり復習して正解の白星を出すとしますか。【押谷謙爾】