負けたくない古巣に“先制パンチ”をお見舞いした。春季キャンプ地・宜野湾を視察に訪れていたDeNA中畑清監督(58)が16日、オープン戦初陣の巨人戦を行う沖縄セルラースタジアムを電撃訪問。自主トレ中の巨人高橋由伸外野手(36)を見つけると、談笑しながら状態をチェック。「簡単には打たせへんぞ」と闘志を燃やした。

 当初は予定になかったが、シーズン中に主催試合があることもあり、急きょ訪れた。施設の事前確認が目的だが、中畑監督は背番号24を継ぐ男の調子が気になった。まめの状態や表情から充実した練習を送っていることを感じ取り「あいつ、表情がいいね」。しかし、次に会う時は対戦相手。「今度戦う時、あまりいい顔をされても困る」と全力での封じ込めを誓った。

 「巨人には負けたくない」と公言し続けるだけに、早くも心理戦も仕掛けた。沖縄でのオープン戦2試合をPRする記者会見に高木ヘッドコーチと出席。

 中畑監督

 足も使ったスピード感ある野球をしていきたい。巨人にもそんな意識づけをさせるような攻撃パターンを見せたい。

 高木ヘッド

 巨人には手の内を隠すかも。監督は全部見せちゃうから。

 どっちなの?

 いや、何を仕掛けてくるか分からないと、巨人に思わせる作戦だ。

 球場入り口に飾られた原監督の色紙。去年までは、友人から頼まれて、何枚も同監督にお願いしてきた中畑監督だが、「今年はいいや。今年は勝負!」。その言葉には“打倒巨人”の決意が満ちていた。【佐竹実】