ロッテ大松尚逸外野手(29)がプリンス・フィルダーになりきる。8日、左手甲の部分にクモの巣をデザインした打撃用手袋を発注したことを明かした。モデルはメジャーでホームラン王を獲得したこともある通算230本塁打のタイガース・フィルダー。「左手の甲の部分にクモの巣のタトゥーが入っているんです。メチャクチャ格好いいなと思った。さすがに自分がタトゥーをするわけにはいかないけど」。現役屈指の大砲に憧れ、ユニークな手袋を注文した。

 ただオシャレをしたわけではない。昨季は1軍定着後、過去最低の2本塁打。その不振時にフィルダーの特集をテレビで見た。「クモの巣は左手でボールをつかむという意味を込めていると言っていました。その発想力がすごい」と、メジャーの思考に感化された。

 ミートゾーンという「巣」を張り巡らし、左手の「クモ」で獲物を仕留める。その考えは今季取り組む打撃にも生かされる。昨季は統一球に苦しんだ。トップの位置からミートまでの距離が短すぎて、ボールに力が伝わらなかった。今季はトップの位置を高くして、ミートまでの距離をキープする。「自分の体で一番力が入るところで打つ」。そして最後は左手だ。「最後の一押しで左手でボールを押し込む」。理想のイメージは頭に刻まれている。

 今季は選手会長に就任し、初めての一塁手転向と勝負の1年になる。「自分の中でキャリアハイの数字(08年の24本塁打、91打点)が目標です」。“スパイダー大松”がフィルダーのような豪快な放物線を描く。【広重竜太郎】