広島会沢翼捕手(23)が、同学年のスター日本ハム斎藤佑樹投手(23)から場外弾を放った。11日の練習試合(名護)に5番捕手で先発。2回にストレートをバックスクリーン右の場外へ運んだ。迎が2打席連発弾で続き、昨季1度もなかった1試合3発を呼び込んだ。野村監督はパワフルな打撃を生かすため、オープン戦で外野手としてテストすることを予告。開幕1軍に向け、大きなアピールとなった。

 文句なしの一撃だった。2回1死。日本ハム斎藤の投じた初球、外角高めのストレートを思い切りたたいた。打った瞬間それと分かる打球が、バックスクリーン右の外野席後方の植え込みを高々と越えた。豪快な場外弾に、日本ハムファンが静まりかえった。気持ちよさそうにベースを1周した会沢が、会心の笑みで振り返った。

 「アピールしなきゃいけないので、どんどん振って行こうと思っていました。感触はよかったです。あっちの(右)方向へ入るのはうれしいですね」

 この1発が導火線となり、迎も2打席連発。昨季チームはリーグ最少の52本塁打で、1試合3発は1度もなかったが、12年の対外試合初戦を打ち勝った。

 会沢は水戸短大付時代、全国的に無名だった。一方、同学年の斎藤は甲子園のスーパースター。その右腕から放った1発だけに価値がある。

 「(斎藤は)同世代のスターですから。打席に入って見ると、カッコよかったですよ。王子と言われるだけあります。僕とは正反対ですね」

 実は、高校時代にも斎藤を打ち込んだ記憶がある。会沢によると、高校3年の春に練習試合で対戦したことがあるという。「あっちは覚えてないでしょうけど、確か2安打…センター前に1本打ったのは間違いないです」

 広島には右のパワーヒッターが少ない。会沢にかかる期待は大きく、昨季はその打撃を生かすため2軍戦で外野も守った。今キャンプでも捕手だけでなく外野の守備練習もこなしている。「捕手で勝負したいですが、打てば使ってくれるチャンスをもらえると思うので、打撃を磨きたい」と持ち味で強力アピールした。

 指揮官も豪快な1発に心を動かされた。「(会沢は)打撃が長所。外野も守り複数ポジションをこなすことも現実味を帯びてきたね。オープン戦をみながら考えます」と実戦での外野テスト実施を明言。昨年末に高校時代の同級生と結婚したばかりの男が、勝負の6年目にバットで挑む。【高垣誠】

 ◆会沢翼(あいざわ・つばさ)

 1988年(昭63)4月13日、茨城県生まれ。水戸短大付時代は甲子園出場なしも、06年高校生ドラフト3巡目で広島入団。177センチ、80キロ。右投げ右打ち。昨季まで通算66試合に出場、打率1割8分3厘、1本塁打、7打点。昨年末に結婚した。