統一球もノープロブレム!

 阪神クレイグ・ブラゼル内野手(31)が11日、沖縄・宜野座キャンプで初のランチ特打を敢行。58スイング目に、センターのスコアボード最上部にぶち当て、そのまま場外に飛び出す推定150メートル弾を放った。柵越えは71スイングで21本。オフの“ボディービルトレ”で体重が6キロ増。スケールアップしたパワーを見せつけ、一塁の定位置獲得をアピールした。

 しばき上げられた統一球がスコアボードを目がけて、どんどん伸びていく。ガツン。衝撃音を残し、滞空時間の長い打球は、ボードの最上部に当たり、そのまま場外に飛び出した。推定150メートル弾。宜野座球場に詰めかけた6000人のファンから拍手が湧き起こる。キャンプ初のランチ特打に臨んだブラゼルが、55スイング目から圧巻の4連発。4発目は驚きのバックスクリーン越えで締めた。

 ブラゼル

 本当に気持ちよくできたよ。いい形で打ちたいと思うと同時に、お客さんがたくさんいたので、喜ばせたい気持ちもあったんだ。今年は体をしっかり鍛えて、大きい打球を飛ばせるように意識してやってきたんだ。

 71スイングで柵越え21本。1つのケージを独占する金本と競演するように、もう1つのケージにマートンと交代で入った。昨季は低反発球の影響をモロに受け、16本塁打止まり。1カ月近い戦線離脱があったとはいえ、一昨年の47本塁打から激減。数字を追い求めないと言いつつも、雪辱を期していた。

 ブラゼル

 (目標の)数字は心の中でとどめておくよ。数字を追い求めると、そればっかりになっちゃうから。ただ高い目標は持っていて、みなさん(報道陣)が思っている以上かもしれないね。

 オフは“ボディービルトレ”で肉体をいじめ抜いた。父親の知人で、米アラバマ州在住のプロのボディービルダー、テリー・ビィディー氏を個人的に雇い、体全体を鍛え上げた。身長約175センチ、体重108キロのビィディー氏に入門し、B砲の体重は95キロから101キロまで増加。特定的の部位だけでなく、意識的に体全体のトレーニングに励み、飛距離アップのためのパワーを身につけた。

 ブラゼル

 これまでは野球の動きにつながるトレーニングをやってきたけど、今年は体全体を強くすることを意識してやってきたんだ。ボールに対してどうこう言うのは難しいんだけど、去年は今までずっとやってきた中でも、ボールが飛ばないシーズンだった。飛ばすためには自分自身を強くしないといけないと思ったんだ。

 城島が一塁に挑戦し、強力なライバルが出現したが、守備位置を譲るつもりはさらさらない。和田監督の下で迎える12年シーズン。生まれ変わったB砲が、アーチを量産する。【岡本亜貴子】