キヨシに貫禄勝ちだ。楽天は18日、今季初の対外試合となったDeNAとの練習試合(宜野湾)に3-1で勝利した。わずか3安打だったが、犠飛や敵失に付け込むなど、少ないチャンスをものにした。課題の得点力アップへ、昨秋からの成果が出始めている。前日17日は敵将中畑監督を「相手にならん」と“挑発”した星野仙一監督(65)だが、試合前には共闘を呼び掛け。試合は言葉通りの勝利と、経験の差を見せた。
星野監督はベンチの端に立ったままだった。ドカッと座り、大声で指示を出すシーズンの姿とは違った。「寒かったからだ」と、はぐらかしたが、仁王立ちでじっと戦況を見守った。試合後は「まずい走塁もあった。まあ、今はいっぱいミスをすればいい」と白星にも感情を出さなかった。
淡々と答えたが、先制点は、そつがなかった。3回、先頭横川が三塁打。嶋が四球でつなぎ、内村は「狙ってました」と初球の甘い球を左翼へ犠飛。6回は敵失に2安打を重ね2点を加えた。わずか3安打が全て得点に絡んだ。昨季のサヨナラ負け8回はリーグ最多。あと1点が取れなかった結果だが、課題解消の予感が漂う。凡打も内容があった。先制後なお1死一塁で、聖沢がカウント3ボール0ストライクから「打て」のサインに強振。一直併殺となったが、試合前の指示「自分のタイミングで振る」を実践した。大久保打撃コーチも「振れることが大事。怖い打線になるよ」と、うなずいた。
監督は「ずっと朝早くやって来た。結果を出さないと」と再び静かだったが、実は一番熱く盛り上げていた。試合前の円陣で語りかけた。「練習試合も全部、勝つつもりで行こう」。個々の執念を見たかった。そうして、つかんだ勝利。「勝つというテーマをクリアしたことは」と続きはのみ込んだが「評価していい」と言いたかったはずだ。
敵将をも気遣った。震災復興チャリティーマッチの一戦。開始直前、マイクを持って中畑監督とグラウンドに登場すると「福島出身の中畑監督のDeNAと、宮城のイーグルスが、最下位ではなく、ともに戦いましょう」と呼び掛けた。最後は中畑監督に向かって「これから苦しくなるぞ」とニヤリ。監督通算15年目。苦しみを知り尽くすが、この日の戦いぶりなら乗り越えられる。【古川真弥】




