トンネル抜けた~!
18日、オリックス戦に「4番右翼」でスタメン出場した阪神中谷将大捕手(19)が、1軍ではプロ初安打となる左前打を放った。2試合で8打数無安打、おまけに2失策と結果が出ていなかったが、実戦10打席目でようやくHランプをともした。未来の4番の挽回が、ここから始まる。
久しぶりに、緑色の芝生でボールが弾んだ。先頭の4回。中谷が、代わったばかりの左腕伊原の出はなをくじいた。初球の真ん中外寄り135キロ直球をとらえ、左前へ運んだ。第1打席は一ゴロ。実戦3試合目、10打席目で泥と汗の結晶が結果になった。
中谷
結果が出なくても出してもらっていたし、思いっきりやれって言われていたので、1本出たらいいなと思っていた。1本出たことは良かったと思うので、いい形を維持していかないといけない。
1軍での“プロ初安打”に、少しだけほおを緩めた。「4番右翼」でスタメン出場した実戦2試合で8タコ。結果だけでなく内容も散々だった。長い長いトンネルをようやく抜け出した。6回は無死一、二塁で中直に倒れたが、鋭い当たりを飛ばした。それでも未来の4番は「打った後の打席を大切にしていきたい」と3打席目以降の凡退に唇をかんだ。
和田監督は期待を込めて4番に据え続けた大砲の躍動に「2番手ピッチャーからやもんね。ただ、1本で終わったけど、その後の内容はよかった。そんなに簡単に結果は出ないけど、1本出て、気持ちが楽になった」と目を細めた。
12日の練習試合・日本ハム戦(宜野座)後、室内でマシンを打ち込む中谷の背中があった。邪心を振り払うように、約30分間、1人黙々とバットを振った。「明日(の新聞)は屈辱デビューですか?」。4打数音無し、落球の苦いデビューは、中谷にとって悪夢以外の何物でもなかった。1年前の中谷なら、居残りで練習することはなかったかもしれない。
厳しい環境に身を置き、19歳は変わった。あどけなさの残る顔が、日に日に精悍(せいかん)さを増している。「ああいう失敗はもうしたくないんです」と目をギラつかせていた。トンネルを犯した14日に山脇守備走塁総合コーチは「日に日に練習態度が変わってきてる。これを糧にできると思うで」と話していた。1軍で生き残るために、泥臭く必死に食らいつき始めた。
今日19日の巨人戦からは主力も登場。ほぼフル出場した3試合のようにチャンスは多くない。ここから中谷の真価が問われていく。【岡本亜貴子】



