そら、野球の中心は5番打者よ!

 オリックスT-岡田外野手(24)が20日、チームを今季初勝利に導く満塁弾を放った。練習試合・ヤクルト戦(浦添)に5番左翼で先発。初回1死満塁で赤川のストレートを右翼に運び、9-3の圧勝につなげた。岡田彰布監督(54)は5番打者最重要説を唱えており、4番李大浩(イ・デホ)内野手(29=韓国ロッテ)と並ぶ“開幕オーダー”にニンマリだ。

 制球の定まらない赤川の初球ストレートに、T-岡田が反応した。大引、坂口、李大浩の3連続四死球で1死満塁。打った瞬間、対外試合今季1号とわかる、右翼芝生席への弾丸ライナーで、試合開始早々、4点をもぎ取った。それでも、満足などしていなかった。

 T-岡田

 打ち方そのものは自分の中のイメージと違っていた。左肩が早く出てしまって、外からかいたような感じになって。本当なら右中間に持っていくような当たりを打ちたかったんですが。

 満塁弾は、10年9月16日西武戦(スカイマーク)以来2年ぶり。当時は押しも押されもせぬ4番打者で、左太もも肉離れを抱えた状態で代打に立ち、33号となる逆転満塁弾で初の本塁打王を決定づけた。だが、今年は5番に入る。指揮官はかねて「打順の中心は5番。得点力という意味では、Tは昨年の4番を打ったときより重要度は高いよ」と話しており、4番李に続くキーマンとしてT-岡田を指名していた。

 岡田監督

 今季はああいう状況が増えるやろうからな。李はよくボールを見るから。前が歩いたあとで1本出るのは大きいよ。

 4番李は3打席に立ち、2四球と右前打で出塁率10割を記録した。ただ3回は、一塁に李を置いてT-岡田は右前打も、三塁に突進した李はタッチアウト。

 T-岡田

 デホさんに楽に(ホームに)帰って来てもらえるようにしますね。でもデホさんにも頑張って走ってもらわないと。

 DT砲が効果的に得点をたたき出せば、昨季リーグ4位の478得点を、大幅にアップさせるのも夢ではない。【堀まどか】

 ◆名5番打者

 巨人柳田は77年、打率3割4分と急成長。王、張本の3、4番とクリーンアップを組み「史上最強の5番打者」と呼ばれた。阪神が日本一となった85年は、岡田が5番。4月17日巨人戦(甲子園)で、3番バース、4番掛布に続き、槙原からバックスクリーン3連発を記録している。89年途中から西武に入団したデストラーデは、90年から3年連続パ本塁打王。3番秋山、4番清原に続くスラッガーとして、西武黄金時代の主役を張った。05年阪神今岡は4番金本を上回る147打点で優勝に貢献した。